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【職人が語る】ペルシャ絨毯クリーニングは「化学の実験」だった⁉

目に見えない「化学反応」がキレイを生む

絨毯は水と石鹸で洗う

ペルシャ絨毯のクリーニングって、じつはただ洗うだけじゃありません。
実は、目には見えないけれど、「酸化」「分解」「中和」など、まるで化学実験のようにいくつもの反応が絡み合って「キレイにする」が起きているのです。

絨毯の繊維は「動物性たんぱく質」からできている

絨毯の本場イランのシラーズで遊牧されている羊 刈られた毛は絨毯用に糸に紡がれていた
シルク絨毯はいわゆる「お蚕さん」の繭 シルクは精練されて滑らかな繊維となる

ペルシャ絨毯など手織りの絨毯は、ほとんどがシルクウールといった動物性たんぱく質の繊維で作られています。※たて・よこ糸に植物繊維の綿を使う事も多い
さらに、これらの繊維は「酸性染料」で染められています。

酸性染料は、直接染料と違い、鮮やかな発色が多く、染めやすく抜きやすいという優れた染料です。酸性環境では安定しますが、アルカリ性になると不安定になるという性質があります。なので染色の時は繊維をアルカリ性にして、染まったら「よく洗って余分な染料を落とし、酸で中和して、すすいで仕上げる」。この染色時の工程を「ソーピング」といいます。
このアルカリで不安定、酸で安定という性質が、クリーニングの難しさに大きく関わってきます。

汚れを落とすと「色がにじむ」!? クリーニングのジレンマ

色が滲んで(泣いて)しまった絨毯 染色の際にソーピングが不十分だと起こると言われる(染色時に洗い落とすべき余分な染料が、絨毯に付着している)

絨毯に付く汚れの多くは皮脂汚れ。これは、タンパク質汚れなので、アルカリ性の石けんや洗剤で分解・除去するのが基本です。
でも、ここで大問題。

アルカリ性に傾くと、酸性染料は不安定になり、色がにじみやすくなってしまうのです。
汚れは落ちるけど、色が台無し…。滲んでしまう。(泣くとも言う)これが、ペルシャ絨毯クリーニングの最大のジレンマです。

職人技① 酸で中和して「にじみ」を防ぐ

イランの絨毯製造業組合の免許保持者のタヘル氏とクリーニング師・染色補正技能士の有資格者のまじめしゃちょー

そこで登場するのがクエン酸酢酸といった酸の力。
アルカリ剤で汚れを落とした後に、絨毯に酸を染み込ませることでpHを酸性に戻し、にじみを食い止めます。

職人技② 夏場は「朝イチ洗い」と「氷水洗浄」で色を守る

さらに、水温気温も染料に影響を与えます。
気温・水温が高いと化学反応が活性化し、色がにじみやすくなるからです。

そこで、真夏の洗浄は早朝の涼しい時間に実施
さらに氷を入れて水温を下げ塩を加えてにじみにくくするなど、まさに職人ならではのひと工夫が詰まっています。

環境への配慮も忘れません

もうひとつ重要なのが、排水の処理
石けんで洗うと金属石けん等の「石けんカス」が発生します。これは水環境に負担をかける原因にもなります。

水中の微生物が石けんカスを分解する際、大量の酸素が消費されることで、水中の酸素濃度が下がってしまうのです。
それを防ぐため、当社ではクエン酸や酢酸を使って中和し、石けんカスに酸を加えることで、脂肪酸が遊離して微生物による分解が進みやすくなる環境負荷を減らしています.

保健所認定クリーニング所としての責任もある

大成コーポレーションは保健所の認可を受けた「クリーニング所」

当社は保健所認定のクリーニング所
排水のpH管理も徹底しており、保健所からアルカリ性に偏らないようモニタリングされています。
もし基準を超えれば、保健所から注意が入るほど厳しく管理されています。

【まとめ】ペルシャ絨毯のクリーニングは「化学と職人技の融合」

ペルシャ絨毯のクリーニングは、
✅ 繊維・染料・汚れの特性を理解
✅ pHをコントロール
✅ 環境にも配慮

化学と職人技の融合」です。
単なる水洗いとは違う、科学的に裏付けされた技術経験に基づく工夫
それが、大成コーポレーションのクリーニングです。

あなたの大切な絨毯も、ぜひ「実験のように丁寧に」洗わせてください!

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